100年前の不思議な交流

Bunkamura Box Gallery で ≪「坂東俘虜収容所」の世界展≫ を見ました.坂東俘虜収容所のことは中野京子氏の『橋をめぐる物語』(河出書房新社,2014年)で知ったのですが,その実情をいろいろな資料で展示する(らしい)というので,いってみました.「一〇〇年前の収容所に花開いたドイツ文化と日独交流の歴史」という副題のとおり,「ドイツ文化」が収容所において繰りひろげられた,というのがなんとも素晴らしいことです.音楽会や演劇活動あり,サッカーやテニスなどのスポーツもあり,新聞を発行したりもしています.音楽会開催のときにはプログラムもつくっているんですね.それもカラフルな多色刷りで,現代のコンサートでのプログラムだといっても通用しそうな出来になっています.写真もあります.ドイツ人捕虜たちがカメラや楽器を所持していた,というのも(今のわたくしなんかには)ちょっとかんがえにくいところがあるのですけど,それが当時の実態だったのでしょう.こういう時代・事態があったのだ,ということはながく伝えていくべきだと,おもいます.ひとりでも多くの方がこの展示に接してくださるよう,ここに記しておきます(1月20日まで開催.入場無料です).