2012-02-01から1ヶ月間の記事一覧

遺体科学とは

杉並区立科学館で遠藤秀紀・東京大学総合研究博物館教授の講演「死体解剖から解き明かす進化」を聞きました.ややショッキングなタイトルですけど,そしてけっこうショッキングな映像が映しだされたりもしたんですけど,おもしろかったというのが率直な感想…

類型的なところがおもしろい

天理ギャラリーで ≪吉祥づくし明治の引札 商家の広告印刷物にみる福徳円満のかたち≫ を見ました.「引札」とは,現代でいうなら商店のチラシやポスターにあたるものなんですが,それだけでなく,本企画展のタイトルやサブタイトルに窺われるように吉祥をこと…

読み応え十分

加須屋 誠『生老病死の図像学 仏教説話画を読む』(筑摩選書 0035,筑摩書房,二〇一二年二月)を読みました.仏教説話画というのは「これまでほとんど注目されてこなかった」(p. 14)のだそうです.それを,美術史学の立場から読み解こうとしたのが本書で…

妖精あれこれ

三鷹市美術ギャラリーで ≪フェアリー・テイル 〜妖精たちの物語〜 展≫ を見ました.「井村君江氏の旧コレクションで、現在はうつのみや妖精ミュージアムと妖精美術館(福島県金山町)で展示されている作品を中心に、ヴィクトリア朝時代(1837-1901)の妖精に…

入門書としてオススメ

池上英洋『西洋美術史入門』(ちくまプリマー新書 174,筑摩書房,二〇一二年二月)読了.高校生くらいのひとたちを読者として想定しているようですが,一般人にとっても有益な入門書といえます.美術史というものについて,シンボルやアレゴリーについて,…

味のある顔

たばこと塩の博物館で ≪紫煙と文士たち 林忠彦写真展≫ を見ました.戦後の「文士」たち59名の写真を展示しています.ポスターや図録の表紙を飾っている太宰治のスナップや,ゴミの中にいるような坂口安吾が有名ですが,ほかにもいろいろな写真があって,たの…

レベルの高い入門書

宮下規久朗『知っておきたい世界の名画』(角川文庫,角川学芸出版/角川グループパブリッシング,平成二十四年一月)読了.これは文庫オリジナルなんでしょうか.宮下氏の編著である『不朽の名画を読み解く』(ナツメ社)と重複している部分もあるそうです…