2011-06-01から1ヶ月間の記事一覧

超ユニーク

川原 泉『コメットさんにも華がある』(白泉社,平成23年 7月)読了.前巻の『レナード現象には理由がある』が平成18年 7月刊行ですから,5年ぶりの出版なんですね.シリーズ冒頭の「レナード現象には理由がある」の掲載が『メロディー』2003年 1月号とのこ…

ウラから見た歌舞伎あれこれ

日本橋室町野村ビル(YUITO)の5Fホールで織田紘二氏の講演を聞きました.『芸と人 戦後歌舞伎の名優たち』の出版を記念しての催しだそうです.本には掲載できなかったカラー写真を大量に使って,役者さんたちの思い出の舞台や人柄やエピソードやらをたっぷ…

9年ぶり

一条ゆかり『有閑倶楽部 11 有閑伝説』(集英社文庫,集英社,2011年 6月)を読みました.第10巻が2002年 4月刊行ですから,まる9年のあいだを置いての出版になります.「『有閑倶楽部』は完結したんですか?と、 よく聞かれる」と「あとがき」に書かれている…

内側からの歌舞伎史

織田紘二『芸と人 戦後歌舞伎の名優たち』(演劇出版社,2011年 4月)読了.この本のことは朝日新聞の読書欄(6月12日)で知りました.「役者は全役のせりふと型を覚えていなければならないとされるが、 「熊谷陣屋」の稽古で監修をしていた女形の歌右衛門は…

特定の地域へのこだわり

森薫『乙嫁語り 3』(エンターブレイン/角川グループパブリッシング,2011年 6月)を読みました.19世紀後半の中央アジアの遊牧民たちの生活を描いています.もっとも,今回の第3巻はイギリス人のスミスさんが主役になっていますけど,スミス氏の物語とい…

けっこう多面的な入門書

『サライ 7月号』(小学館,2011年 6月)を買い,「特集 美術の見方」だけを読みました(なお,表紙には「美術の見方」とありますけど,目次では「これから美術の話をしよう」となっています).四つのセクションにわかれ,辻 惟雄氏による「12作でわかる …

印象派とその背景

中野京子『印象派で「近代」を読む 光のモネから、 ゴッホの闇へ』(NHK出版新書 350,NHK出版,2011(平成23)年 6月)を読みました.「二〇一〇年秋の「ドガ展」(横浜美術館)で行なった講演「ドガの時代」を基に書き下ろしたもの」だそうです.<印象派>…

書き下ろしが多いのがうれしい

坂田靖子『オレンジとレモン 坂田靖子よりぬき作品集』(ジャイブ,2011年 6月)を読みました.ほとんどが『JUNE』に載せたもので,ホモセクシュアルの匂いが濃厚にただよっている作品が多いです.今回の本のための書き下ろしのほか,「メイキング」もいくつ…

斬新な視点からの読み解き

田口章子『歌舞伎から江戸を読み直す −恥と情−』(吉川弘文館,二〇一一年(平成二十三)六月)を読みました.江戸時代にかんする(現代のわたくしたちの)イメージ,およびその時代に産みだされた文芸作品などに対する評価には,かたよりやマチガイがあるの…