2012-11-01から1ヶ月間の記事一覧

奇妙な味わいの作品ばかり

『桑田乃梨子短編集 やみなべ』(幻冬舎,2012年11月)読了.「やみなべ」というのは単行本のタイトルとして付けられたもので,そういう作品がおさめられているわけではありません.『ラッキー!!』とおなじですね.こういう趣向は他のマンガや小説にもあるん…

綿密な考証

内藤陽介『喜望峰 ケープタウンから見る南アフリカ』(彩流社,2012年11月)読了.喜望峰というのは,たしか世界史の教科書でおぼえた地名で,どんなところなのか,どんな歴史があるのかなどはまったく知らず,興味もありませんでした.内藤氏の新著だという…

貴重な記録

カキコミの遅れのため,押せ押せになって日付がずれたままですけど,21日には狭山市立博物館で ≪ジョンソン基地とハイドパーク展 アメリカ文化に触れた頃≫ を見てきました.狭山市の稲荷山公園というのは,大正天皇による陸軍特別大演習を契機に大正2年に誕…

実用品になり,工芸品になり,土産物にもなる

事情があってカキコミが遅れてしまいましたが,昨20日に大田区立郷土博物館で ≪特別展 懐かし うつくし 貝細工≫ を見ました.チラシや図録のはじめに「海に囲まれたわが国では、貝は身を食べるだけでなく貝殻も長きにわたり利用してきました」とあります.ま…

充実した一日

石神井公園に散歩にでかけ,ふるさと文化館の企画展示室で ≪第十六回 練馬区手工芸作家展≫ を見ました.こういう催しがあったなんて,はじめて知りました.和紙人形や押絵や刺繍など,手の込んだ細工や工芸品をつくっているひとたちがけっこういるんですね.…

「水彩画」のもつ幅ひろさ

Bunkamura ザ・ミュージアムで ≪巨匠たちの英国水彩画展≫ を見ました.150点あまりの水彩画を8章にわけて展示していますが,すべてマンチェスター大学ウィットワース美術館の収蔵品だそうです.この美術館は「英国の画家による水彩画と素描を約4500点所蔵す…

新機軸と,その反面の使いにくさ

『大辞泉 第二版』(小学館,2012年11月)を5日前に買いました.以来,おもいついたことばを片っ端からいろいろと引いてみました.わずか5日間の体験でこの辞書を論評するなんて,無謀にもひとしい,おこがましい行為にはちがいありませんけど,とりあえず…

「古いようで新しい、知っているようで知られていない」

岡田温司『アダムとイヴ 語り継がれる「中心の神話」』(中公新書 2188,中央公論新社,2012年10月)を読みました.「おわりに」の冒頭で著者じしんが「まさか四冊目を書くことになろうとは、思いもよらなかった」と書かれています.中公新書ですでに「キリ…