2013-01-01から1年間の記事一覧

ことしもっとも印象にのこったもの (その他)

歌舞伎・文楽については,語る資格がないので記しません.劇場に足をはこんだのが,国立小劇場に2度だけで,歌舞伎はまったく見ていないのですから,ファン失格です.どうしてこんなことになってしまったのかというと,興味をおこさせるような公演が少ない…

いいわけ (その他)

ブログの更新が3週間も滞っていました.これはわたくしの怠慢のしからしめるところではあるのですが,そしていったん付いた怠け癖を払拭するためには多大のエネルギーが必要ですので,再開するのはけっこう大変なことだったのですが,そのほかに,ブログの…

『名画の謎』シリーズ第三弾  (美術)

中野京子『中野京子と読み解く 名画の謎 陰謀の歴史篇』(文藝春秋,二〇一三年十二月)読了.

戦争を見物?

木下直之『戦争という見世物 日清戦争祝捷大会潜入記』(叢書・知を究める2,ミネルヴァ書房,2013年11月)読了.木下氏はきわめてユニークな視点・視角から美術や見世物などさまざまな対象にとりくんでおられますけど,今回の本では「明治二七年(一八九四…

なんともヘンな設定

竹本 泉『シンリャクモノデ 1』(KADOKAWA,2013年12月)読了.「侵略」とはおだやかならざることですけど,「ソノ1」では学園の中庭に「別の世界から入り込んでくるいろいろを」「送り返す」というテンマツが描かれます.このはなしがつづくのかとおもった…

550億円(!)

学習院大学史料館講座「神話学からみた遷宮」を拝聴してきました.講師は平藤喜久子・國學院大學准教授です.はじめに伊勢神宮および遷宮ということについての解説があり,後半では「神話学から遷宮を考える」として,世界の神話(ことに人類の誕生と起源に…

40周年と30周年

『デビュー40周年記念自選集 文月今日子のお気にいり』(宙出版,2013年11月)と『川原泉傑作集 ワタシの川原泉 I』(白泉社,2013年11月)を読みました.文月氏の本の巻頭の「フリージアの恋」は1973年,19歳で公表したデビュー作だそうです.装飾過剰でモ…

掘りだしもの

神保町ブックフェスティバルにいって,中公新書など6冊を買いました.〆て 2,100円.定価だと約 8,000円になるので,たいそうお買い得です.わたくしのようなビンボーニンにとって,とてもありがたい催しです.なかで,地中海学会(編)『地中海の暦と祭り…

「美術」の基底にあるもの

中野京子氏がブログ(10月22日条)で紹介された岩井希久子『モネ、ゴッホ、ピカソも治療した絵のお医者さん 修復家・岩井希久子の仕事』(美術出版社,2013年 6月)を,図書館から借りだして読んでみました.「とても面白かった」と中野氏が書かれているとお…

古代の技術(?)におどろく

天理ギャラリーで ≪布留遺跡展 −物部氏の拠点集落を掘る−≫ を見ました.布留遺跡とは「奈良盆地東部に位置する、旧石器時代から現代まで連綿と続く複合遺跡」だそうです.すでに戦前の1938年に調査がおこなわれ,その後何度かの発掘調査によっておおくの資料…

よくまあこんなにつくったものだ

『永久保存版 日本の銅像 完全名鑑』(廣済堂出版,2013年10月)というムックを買って読んでみました.まえにも書いたことがありますけど,わたくしは銅像などというものには,否定的なおもいをいだいています.肉体を誇示する<銅像>と日本人の伝統的な感…

ヘンな趣味(?)

橋本麻里『変り兜 戦国のCOOL DESIGN』(とんぼの本,新潮社,2013年 9月)という本を書店で見かけて,買って読んでみました.変り兜というものがあることは,辻 惟雄氏が『奇想の図譜』(ちくま学芸文庫,筑摩書房,二〇〇五年四月)でとりあげ,そらあすか…

なかなかに濃い(しかしわかりにくいところもある)講座

学習院大学でおこなわれたシンポジウム「マンガのアルケオロジー 視覚的な物語文化の系譜」を拝聴してきました.はじめに夏目房之介氏の基調発表「マンガ史再考のために」があり,これまでのマンガにかんする言説(の歴史)を要約したうえで,あらたな視角を…

「駄」文化の価値

石神井公園ふるさと文化館で ≪特別展 懐かしの風景 北原コレクションの世界≫ を見ました.「第1章 大正・昭和戦前期」から「第5章 高度経済成長期後半」まで,時代順に,さまざまなおもちゃ類を展示しています.おもちゃのほか,雑誌の付録や薬の袋,映画…

吾妻ひでお氏のふしぎな世界

吾妻ひでお(中川いさみ・監修)『あるいは吾妻ひでおでいっぱいの吾妻ひでお』(河出書房新社,2013年 9月)読了.このシリーズも第5弾となりました.今回は「作者が出ている作品」をテーマとしているのだそうです.巻末の解説で中川いさみ氏は「自分を主…

住大夫師へのラブレター(?)

高遠弘美『七世竹本住大夫 限りなき藝の道』(講談社,二〇一三年九月)を読みました.著者は1952年生まれのフランス文学者で,「失われた時を求めて」の個人全訳をめざしているそうです.そうしたひとが「そろそろ五十の声を聞く頃」にはじめて文楽に接して…

100周年

都合でカキコミがおくれてしまいました.以下は昨13日の記述です. GAS MUSEUM がす資料館で ≪料理教室100周年『プリンも、グラタンも、ローストチキンも! みんな僕んちにやってきた!!』展≫ を見ました.ガスの炎は,あかり(ガス灯)としてはじまりながら…

なんとも辛辣な見解

インターネット上をネットサーフィンしていたところ,辛辣な批評を見いだしました.よくもここまでいい切ったものです.歌舞伎ファンのなかで,この意見はごく少数派に属するのではないでしょうか.わたくしとしては,この見解にたいして,賛否ほぼ半々とい…

コアなファンが多いんでしょうか

SHIBUYA TSUTAYA でおこなわれた清水玲子氏のサイン会にいって,『秘密 season 0 1』にサインをしてもらいました.3日前,9:40 ごろだったでしょうか,本書を購入して得たサイン会の整理券番号は90番台の後半でした.先着100名にかぎるとのことでしたので,…

金魚がいっぱい

吉田智子『江戸創業金魚卸問屋の 金魚のはなし』(洋泉社,2013年 7月)という本をたまたま見かけて,ちょっとおもしろそうだとおもい,買って読んでみました.著者は「創業350年を誇る老舗金魚・錦鯉の卸問屋『吉田晴亮商店』七代目女将(代表取締役)」で…

たまには散歩を

けさの朝日新聞に紹介記事があったので,井草森公園にいってひまわりを見てきました.この公園は春から初夏のころには菜の花の咲き誇るのが見ものなのですが,今回は北海道からひまわりを移植したとか.花壇一面のひまわりがみごとです.すべて太陽のほうを…

死霊生霊

中野京子氏が「生霊と死霊の見分け方は?」との疑問をブログに載せておられました(8月 6日条)ので,そこにカキコミしようとおもったのですけど,かなり長文になりそうなので,わたくしのサイトの方に記すことにしました.「死霊生霊」といういいかたはよく…

いいまちがいがおもしろい

蛇蔵&海野凪子『日本人の知らない日本語 4 海外篇』(メディアファクトリー,2013年 8月)読了.シリーズ第4弾は「「外国で日本語を学んでいる」ひとたちのお話です」とのことで,「第一章」から「第七章」まではフランスやベルギーなどの国別に日本語学習…

概説書のように見えて,ポレミックな本なのかも・・・

倉田喜弘『文楽の歴史』(岩波現代文庫,岩波書店,2013年 6月)読了.「はじめに」に「文楽に関する書物は数多く出版されているが、三業にわたる通史のような歴史書はない。太夫が語る浄瑠璃にこそ精度の高い文献は多いが、三味線や人形の歴史は多分に無視…

<モノ>への関心という点で共通している3冊

宮下規久朗『モチーフで読む美術史』(ちくま文庫,筑摩書房,二〇一三年七月)を読みました.「東京新聞および中日新聞に二〇一三年一月四日から四月五日まで連載された「神は細部に宿る モチーフで読み解く美術」をもとに、新たな話をいくつか書き加え、図…

連想のおもしろさ

中野京子『はじめてのルーヴル』(集英社,2013年 7月)読了.おもしろくて一気に読みました,と,書きたいところなんですが,じっさいには他の本にあれこれ手をのばしたため,読みおえるのにずいぶん時間がかかってしまいました.ただし,他の本を並行して…

つい買ってしまう

第20回 東京国際ブックフェアにいってきました.「国際 電子出版 EXPO」とか「コンテンツ 制作・配信 ソリューション展」といった展示も同時におこなわれています.出版活動のなかにコンピュータをとりいれるこころみはすでにいろいろとあって,これまでのブ…

あいかわらずエネルギッシュなルポルタージュ

ヤマザキマリ・NHK取材班『ヤマザキマリのアジアで花咲け! なでしこたち』(メディアファクトリー,2013年 5月)読了.なでしこジャパンを追った記録かとおもったんですが,そうではなく,アジアの各地で活動されている女性たちを紹介したものでした.ト…

23箇所をまわって11,900円のトク(?)

ぐるっとパスというものをはじめて使ったのは一昨年8月初旬でした.去年は,見たいとおもう展示会が集中することがなかったのか,使わずじまいでした.ことしは4月末からきょうまで,23箇所をまわりました.当日売りのチケットを買って入館していたなら,…

意外な終りかた

ヤマザキマリ『テルマエ・ロマエ VI』(エンターブレイン/角川グループホールディングス,2013年 7月)読了.「第33話」のラストで,金策をおえてもどってきたお爺ちゃんが風呂場で足をすべらせて湯船にのめりこんでしまうシーンがあるので,これで死んじゃ…