2012-09-01から1ヶ月間の記事一覧

ヤマザキマリ氏の新刊2冊

『テルマエ・ロマエ V』(エンターブレイン/角川グループパブリッシング,2012年10月)と『ジャコモ・フォスカリ 1』(創美社/集英社,2012年 9月)を読みました.『テルマエ〜』は前巻から引きつづく「伊藤温泉」のエピソードがますます盛りあがって最長…

合わせ鏡のような,ちょっとかわった技法

桑田乃梨子『放課後よりみち委員会 2』(幻冬舎コミックス,幻冬舎,2012年 9月)読了.荒唐無稽でいて,どこかほのぼのとしたところのあるヘンな学園マンガです.このさきの展開を作者はどれほどかんがえているんでしょうか.初期設定,というか,たんなる…

素朴な疑問

オスプレイの配備をめぐってあれこれと報道されています.日本政府の安全宣言とか,(これに反対する)配備先の知事や市長などの見解とか.が,どちらも奥歯にもののはさまったような,肝心な点をわざとぼかしているような,あいまいな発言に終始している,…

遠藤淑子の世界の豊饒さに圧倒されました

遠藤淑子『空のむこう』(白泉社文庫,白泉社,二〇一二年九月)読了.学園ものあり,時代劇あり,西洋中世(?)の物語あり,エッセイマンガありと,非常に多彩です.どの作にも,登場人物たちの切実な感情がみちあふれていて,読むたびに感動(ということ…

よくわからないところに味(?)がある(?)

武田泰淳『ニセ札つかいの手記 武田泰淳異色短篇集』(中公文庫,中央公論新社,2012年 8月)読了.短篇7作をおさめています.高崎俊夫氏は「編者あとがき」で「SF、哲学風コント、映画論、幻想小説等々、本書に収められたバラエティに富んだ短篇は、どれ…

文庫版『怖い絵』第二弾

中野京子『怖い絵 死と乙女篇』(角川文庫,平成二十四年八月)を読みました.親本とは配列にちがいがあり,書きおろし2編が加えられています.カバーに大きく描かれているレーピンの「皇女ソフィア」の顔がこわいですね.これを冒頭においてソフィアとその…