2012-07-01から1ヶ月間の記事一覧

吾妻ひでお氏の前衛性

『よいこのための吾妻ひでお』(河出書房新社,2012年 7月)を読みました.監修のとり・みき氏は吾妻ひでお氏の画業を六期に分けて解説されています.世上では「不条理日記」にはじまる第三期の評価がたかいようですが,とり氏は「第一期・第二期をネグレク…

夏むきの(?)本

このところの暑さのせいでなにもする気がおきず,ブログの更新もとどこおってしまいました.本を手にとっても,読み通すだけの気力がつづかずに,とちゅうでなげうったり,あるいは何日もかけてやっと読み終えるといったていたらくです.これではいかんとお…

読みごたえたっぷり

黒田日出男『国宝神護寺三像とは何か』(角川選書 509,角川学芸出版/角川グループパブリッシング,平成二十四年六月)を読みました.「平重盛像」「源頼朝像」「藤原光能像」とされてきた「神護寺三像」をそれぞれ「足利尊氏像」「足利直義像」「足利義詮…

自然の猛威

杉並区立郷土博物館 分館で ≪発見された明治三陸津波の古写真 石黒敬七・敬章コレクションより≫ を見ました.明治29年に起きた三陸津波の被災状況をつたえる写真を展示しています.明治時代の写真師として有名な中島待乳の遺した写真台帳がもとになっている…

「これまで経験したことのないような大雨」

九州地方の大雨がすごいようですね.これを「これまで経験したことのないような大雨」と表現することが新聞で報じられていました.たしかにそのとおりの,わかりやすいいいかたですけど,まだるっこしいような気もします.「想定外の大雨」なんてどうでしょ…

山岸凉子はやはりすごい!

『日出処の天子 <完全版>』(全7巻,メディアファクトリー,2011年11月〜2012年 4月)読了.昨年11月以来,刊行されるごとに買ってはいたのですが,全巻そろってから読もうとおもってためていたのが,完結してみると今度はその分量におそれをなし,なかな…