2013-10-01から1ヶ月間の記事一覧

「美術」の基底にあるもの

中野京子氏がブログ(10月22日条)で紹介された岩井希久子『モネ、ゴッホ、ピカソも治療した絵のお医者さん 修復家・岩井希久子の仕事』(美術出版社,2013年 6月)を,図書館から借りだして読んでみました.「とても面白かった」と中野氏が書かれているとお…

古代の技術(?)におどろく

天理ギャラリーで ≪布留遺跡展 −物部氏の拠点集落を掘る−≫ を見ました.布留遺跡とは「奈良盆地東部に位置する、旧石器時代から現代まで連綿と続く複合遺跡」だそうです.すでに戦前の1938年に調査がおこなわれ,その後何度かの発掘調査によっておおくの資料…

よくまあこんなにつくったものだ

『永久保存版 日本の銅像 完全名鑑』(廣済堂出版,2013年10月)というムックを買って読んでみました.まえにも書いたことがありますけど,わたくしは銅像などというものには,否定的なおもいをいだいています.肉体を誇示する<銅像>と日本人の伝統的な感…

ヘンな趣味(?)

橋本麻里『変り兜 戦国のCOOL DESIGN』(とんぼの本,新潮社,2013年 9月)という本を書店で見かけて,買って読んでみました.変り兜というものがあることは,辻 惟雄氏が『奇想の図譜』(ちくま学芸文庫,筑摩書房,二〇〇五年四月)でとりあげ,そらあすか…

なかなかに濃い(しかしわかりにくいところもある)講座

学習院大学でおこなわれたシンポジウム「マンガのアルケオロジー 視覚的な物語文化の系譜」を拝聴してきました.はじめに夏目房之介氏の基調発表「マンガ史再考のために」があり,これまでのマンガにかんする言説(の歴史)を要約したうえで,あらたな視角を…

「駄」文化の価値

石神井公園ふるさと文化館で ≪特別展 懐かしの風景 北原コレクションの世界≫ を見ました.「第1章 大正・昭和戦前期」から「第5章 高度経済成長期後半」まで,時代順に,さまざまなおもちゃ類を展示しています.おもちゃのほか,雑誌の付録や薬の袋,映画…

吾妻ひでお氏のふしぎな世界

吾妻ひでお(中川いさみ・監修)『あるいは吾妻ひでおでいっぱいの吾妻ひでお』(河出書房新社,2013年 9月)読了.このシリーズも第5弾となりました.今回は「作者が出ている作品」をテーマとしているのだそうです.巻末の解説で中川いさみ氏は「自分を主…