2012-04-01から1ヶ月間の記事一覧

ヤマザキマリ氏のエッセイ2冊

『ヤマザキマリのリスボン日記 テルマエは一日にして成らず』(フリースタイル,2012年 4月)と『テルマエ戦記』(エンターブレイン/角川グループパブリッシング,2012年 5月)を読みました.ブログに掲載されたものですが,著者の日常生活あれこれを語って…

歌舞伎評論?

犬丸 治『「菅原伝授手習鑑」精読 歌舞伎と天皇』(岩波現代文庫,岩波書店,2012年 4月)を読みました.「序章」の冒頭に「「歌舞伎と天皇」について、考えていこうと思う」とあるとおり,たんなる評論や解説とはちがうようです.「序章」では江戸時代の歌…

むかしの気配を伝えてくれる

東京都写真美術館で ≪フェリーチェ・ベアトの東洋≫ を見ました.ベアトの作品は,横浜開港資料館が所蔵する写真をまとめた本(※)を見たことがありますが,今回の展示はJ・ポール・ゲティ美術館のコレクションで,日本だけでなく,インドや中国やビルマなど…

明治初期の文物あれこれのおもしろさ

GAS MUSEUM ガス資料館で ≪開業140周年記念 レールが繋ぐ開化の架け橋 「明治鉄道錦絵」展≫ を見ました.「140周年」と銘打っているのは,「1872年(明治5)という年」が東京横浜間の鉄道開業の年であるためで,「未知の乗りものであった鉄道は、開業前より…

多才・多彩な意欲におどろく

エンパクで ≪六世中村歌右衛門展 わたしの好きな歌右衛門≫ を見ました.昨年は「私の愛したお役」というサブタイトルでしたけど,「本年は、「わたしの好きな歌右衛門」と題し、ファンの視点から歌右衛門丈の軌跡をたどります」とチラシにあるとおり,「すべ…

これも着眼点がおもしろい

丹下和彦『食べるギリシア人 古典文学グルメ紀行』(岩波新書(新赤版)1360,岩波書店,2012年 3月)を読みました.「はじめに」の冒頭に「唐突だが、ホメロスを読んでいて、アキレウスが何を食べているか詮索するのはおかしいだろうか」とあります.飲食は…

目の付けどころがなんとも・・・

木下直之『股間若衆 男の裸は芸術か』(新潮社,2012年 3月)を読みました.『芸術新潮』に掲載した「股間若衆」と「新股間若衆」に,描き下ろしの「股間漏洩集」と「股間巡礼」を加えた四部構成になっています.「平成二十年五月二日」に赤羽駅前に立つ川崎…

散文詩?

川原由美子『TUKIKAGEカフェ 1』(朝日新聞出版,2012年 3月)を読みました.買ったのは半月まえなのですが,あまりに異色な表現に違和感を感じてしまい,しばらく放っておきました.おもいきって取り組んでみたところ,これはマンガを読もうとする…

比喩の使いかたがおもしろい

赤瀬川原平『「墓活」論』(PHP研究所,2012年 3月)を読みました.「墓活」とは「就活」とか「婚活」といったことばから連想して赤瀬川氏がつくった造語だそうで,「墓の活動である」(p. 12)と書かれていますが,しかし墓が活動するわけではなく,墓や寺…