2011-09-01から1ヶ月間の記事一覧

團十郎という名の威力

大隈講堂で演劇講座「七代目市川團十郎の芸と波瀾万丈の生涯」を拝聴しました.整理券配布開始時刻(10:00)の5分前に着いたんですけど,すでに100名ほどの列ができていました.すごいですね.これは七代目團十郎への関心のたかさを示すものなのでしょうか…

浮世絵の影響

ニューオータニ美術館で《北斎とリヴィエール 三十六景の競演》を見ました.アンリ・リヴィエールというひとはまったく知らなかったんですが(*),フランス19世紀末の,モンマルトルのカフェを中心とする文化圏のなかにあって,影絵芝居にたずさわっていた…

擬人化が生みだす感動

遠藤淑子『スマリの森』(白泉社文庫,白泉社,二〇一一年九月)を読みました.動物を擬人化して描くときには,服を着せて二本足で直立させた姿にするのがふつうですけど,この本では主人公であるスマリとその家族たちをまったくの人間として描きだしていま…

映像表現のスゴさ

東京国立近代美術館 フィルムセンターで「裁かるヽるジャンヌ」を見ました.何十年かまえ,こどものころにテレビで見たおぼろげな記憶はあるのですけど,いちどスクリーン上で見たい,とおもっていたので,今回の上映に馳せ参じました.チケット発売開始の 1…

誤解の原因

本日の朝日新聞(朝刊)社会面に国語世論調査のことが報じられていました.慣用句をあやまって使っているひとがけっこう多い,ということを実例をあげてしめしています.そのいちばんはじめに「情は人のためならず」があり,現在では本来のただしい意味に使…

遠藤淑子氏の新刊

『アリル 〜午後のお茶は妖精の国で 番外編〜』(祥伝社,2011年 9月)を読みました.深刻なストーリーとファンタジーとギャグ(?)という,ふつうは共存がむずかしい要素が渾然一体となっているのが,特色です.「午後のお茶〜」はもともと短編の連作とし…

流水りんこ氏の新刊3点

『インド夫婦茶碗 16』と『昭和のこども 3』と『インドな日々 4』を読みました(はじめの2点はぶんか社,『日々』は朝日新聞出版刊,すべて2011年 9月).どれも著者を主役(?)とするエッセイコミックですが,内容や対象へのアプローチのしかた,描き方に…

演目について

昨日,国立小劇場の文楽公演にいってきました.その感想をこのブログに載せるべく,あれこれと書いたんですが,どうもうまくまとまらなかったので,やめてしまいました.本日,一日遅れにはなりますけど,感想文をなんとかまとめようとして,きのう書いた部…

年齢のせい(?)

赤瀬川原平『健康半分』(デコ,二〇一一年七月)を読みました.「病院の待合室に置く小冊子『からころ』に「病気の窓」というタイトルで連載していたもの」だそうです.巻末の注記によれば初出は「二〇〇六年二月〜二〇一一年六月」とのことですが,全部で2…