2013-06-01から1ヶ月間の記事一覧

あいかわらずエネルギッシュなルポルタージュ

ヤマザキマリ・NHK取材班『ヤマザキマリのアジアで花咲け! なでしこたち』(メディアファクトリー,2013年 5月)読了.なでしこジャパンを追った記録かとおもったんですが,そうではなく,アジアの各地で活動されている女性たちを紹介したものでした.ト…

23箇所をまわって11,900円のトク(?)

ぐるっとパスというものをはじめて使ったのは一昨年8月初旬でした.去年は,見たいとおもう展示会が集中することがなかったのか,使わずじまいでした.ことしは4月末からきょうまで,23箇所をまわりました.当日売りのチケットを買って入館していたなら,…

意外な終りかた

ヤマザキマリ『テルマエ・ロマエ VI』(エンターブレイン/角川グループホールディングス,2013年 7月)読了.「第33話」のラストで,金策をおえてもどってきたお爺ちゃんが風呂場で足をすべらせて湯船にのめりこんでしまうシーンがあるので,これで死んじゃ…

「楽器」が主役

学習院大学でおこなわれた「第七〇回 学習院大学史料館講座「音を創る・音をつなぐ」」にいってきました.2部構成になっており,「第I部:講演」は松下敏幸氏による「クレモナにおける歴史的名器の制作伝統と日本人初の弦楽器制作者鈴木政吉について」とい…

濫造だけれど粗製でない

日本橋高島屋の8階ホールで ≪生誕130年 ユトリロ展≫ を見ました.初期から最晩年まで,80点ちかい作品(日本初公開のものもあり)を展示しています.ユトリロといえば,もっぱら白っぽい建物の風景画を描いたひと,というイメージがありますけど,そればか…

好もしい著書であるだけに,あえて苦言を

山川静夫『歌舞伎は恋 山川静夫の芝居話』(淡交社,平成25年 6月)を読みました.『演劇界』に連載した随筆を中心に,種々の雑誌などに寄せたエッセイを<第一章 歌舞伎は恋/第二章 かぶきのたて糸・よこ糸/第三章 かぶきことばあれこれ/第四章 忘られぬ…

不気味ななかのユーモアとうつくしさのなかの不気味さ

損保ジャパン東郷青児美術館で ≪オディロン・ルドン 夢の起源≫ を見てきました.<第1部 幻想のふるさとボルドー/第2部 「黒」の画家/第3部 色彩のファンタジー>という3部構成になっています.「第2部」がなんといっても不気味ですね.『夢のなかで…

大奥とは

江戸東京たてもの園で ≪特別展 大奥女中とゆかりの寺院≫ を見てきました.江戸大奥というと,いかにも淫靡であやしげな世界であるかのようで,そうした面をことさらに強調した作品(小説や映画やマンガなど)がいろいろとつくられてきましたけど,実情はどう…

まったくべつの歴史像

井上章一(編)『性欲の研究 エロティック・アジア』(平凡社,2013年 5月)を読みました.『性の用語集』(講談社現代新書,二〇〇四年一二月)や『性欲の文化史 1,2』(講談社選書メチエ,二〇〇八年一〇月,一一月)などにつづく研究成果が刊行されたこと…

文楽人形のすごさがわかります

池袋の<あうるすぽっと劇場ホワイエ>というところで河原久雄氏の写真展 ≪近松門左衛門の世界≫ を見てきました.「第三回」とあるので,これまでにもおこなわれていたのでしょうか.たまたまこの催しのことを知ったのでいってみたんですが,すばらしいです…