2012-05-01から1ヶ月間の記事一覧

興味本位の俗っぽい出版物という気もしますが・・・

池上英洋(監修)『別冊宝島1872号 残酷絵で見る 暗黒の西洋史』(宝島社,2012年 6月)を読みました.<第1章 殺害と死/第2章 拷問と処刑/第3章 殉教者たち/第4章 狙われる女性の性/第5章 日常に潜む残酷さ>にわけ,さらにこまかい項目(たとえば…

絵を「読む」ことについて語っている本2冊

中村 麗『これだけは知っておきたい「名画の常識」』(小学館101ビジュアル新書,小学館,二〇一二年四月)と木村泰司『おしゃべりな名画』(ベスト新書 371,KKベストセラーズ,二〇一二年三月)を読みました.どちらも西洋美術作品を具体的に取りあげてい…

蒐集することの執念

東京国立博物館で ≪ボストン美術館 日本美術の至宝≫ を見ました.すごいですね.よくもこれほど集めたものです.絵画だけでなく,仏像や刀剣や衣装があったのにも,おどろきました.鑑識眼のたかさには,まったく驚嘆させられます.本展のチラシやポスターに…

怪物がいっぱい

新人物往来社(編)『名画に出てくる 幻想世界の住人たち』(新人物往来社,二〇一二年四月)を読みました.「第1章 ギリシャ神話の住人たち」と「第2章 さまざまな神話・伝説の住人たち」にわけて,ゴルゴーンとかニンフとかドラゴンといった<怪物>をと…

「生活」へ注ぐまなざしのあたたかさ

森 薫『乙嫁語り 4』(エンターブレイン/角川グループパブリッシング,2012年 5月)を読みました.冒頭の「第十八話」で部族間の対立やかけひきといった政治的状況が語られ,「第十九話」以後は旅をつづけるイギリス人・スミス氏のはなしになるかとおもいき…

3.11の影響

流水りんこ『インド夫婦茶碗 17』(ぶんか社,2012年 5月)を読みました.内容は従来のこのシリーズと変わらず,著者の家族や学校やPTAのことやらで,それらはそれなりにおもしろいんですが,今回わたくしが興味をもって読んだのは「夫婦茶碗110杯目」で…

日本のかたすみでの信仰のかたち

京橋のLIXILギャラリー(旧・INAXギャラリー)で ≪鉄川与助の教会建築 五島列島を訪ねて≫ を見ました.「鉄川与助」というのははじめて聞く名だとおもったのですが,念のため『別冊 太陽 日本のこころ 119 日本の教会をたずねて』(平凡社,2002年1…

銅像への興味への興味

金子治夫『日本の銅像』(淡交社,2012年 4月)という本を図書館から借りだして読みました.というより,眺めたといったほうがいいでしょうか.金子氏は昭和16年(1941)生まれの写真家で,「はじめ漠然と風景の写真を撮って」いたのを,20年あまり前に「好…

土地の利用法

「福島第一周辺の「無人地帯」国有化、復興相打診」という記事が読売新聞によって配信されているようです. http://www.yomiuri.co.jp/feature/20110316-866921/news/20120502-OYT1T00160.htm ところで,「故郷」に対するひとびとのおもいには根強いものがあ…