2011-04-01から1ヶ月間の記事一覧

遠藤淑子氏の新刊

『なごみクラブ 3』(竹書房,2011年 5月)を読みました. 日常のささやかなことがらから,こころの琴線にふれるような物語を紡ぎだす遠藤氏のてぎわは,名人芸とでもいえばいいんでしょうか,まったく感嘆させられます.そうしたシリアスな面とうらはらに,…

狩野一信

『芸術新潮 5月号』の特集「五百羅漢の絵師 狩野一信」を読みました. 増上寺の「五百羅漢図」の構成や内容や特色を山下裕二教授がくわしく解説されています.「一信に導かれて全国の五百羅漢を旅する」という文章もあります.これはどうしても,江戸東京博…

吾妻ひでお氏の世界

『文藝別冊[総特集] 吾妻ひでお 美少女・SF・不条理ギャグ、 そして失踪』(河出書房新社,2011年 4月)読了. 吾妻氏の世界に多面的にせまっています.ロング・インタビューもあれば,単行本未収録作品やアイデアノート・ラフスケッチなんかも掲載していま…

美術史(?)

池間 草『美男美術史♥入門 女子のための鑑賞レッスン』(美術出版社,2011年 4月)を読みました.「美男美術史」というタイトルには,どこかあぶなく,そして滑稽なニュアンスがあります.そもそも「美男」などというものが「美術」の内容(対象)となりうる…

さいきん読んだ本(その2)

おもしろく読んだ本を2点,あげておきます. 山内昶・山内彰『風呂の文化誌』(文化科学高等研究院出版局,2011年 3月) 小倉孝誠『愛の情景 出会いから別れまでを読み解く』(中央公論新社,2011年 4月) どういう内容で,どこがどんなふうにおもしろかっ…

さいきん読んだ本

震災の後遺症でしょうか,読んだ本について書くことじたいがむなしくおもわれて,ブログの更新がとどこおっています.これじゃいけない,とおもうんですけど,以前のような気楽なカキコミができなくなっているのは,事実です.とりあえず,さいきんおもしろ…

「人のかたち」への興味

府中市美術館で《江戸の人物画 姿の美、 力、 奇》を見ました.人物を描くということには,いったいどんな意味や志向があるのか.いっぽうで,江戸時代のひとびとはどのような感性をもって,描かれた人物を見ていたのだろうか.こういった問題意識がこの企画展…

「国」の責任

今回の大震災(および原発の事故)による直接の被害のほか,この事件によってひきおこされた二次的な事態,たとえば農産物の出荷停止や漁業の操業不能にたいしても国が補償をおこなう,ということが報じられています.たしかに,それは当然のこととおもわれ…

節電

4月2日の日記に補足します. わたくしは,テレビの深夜放送のスポンサー諸氏がテレビ局に深夜放送を休止するようはたらきかけることを提唱しました.そうすれば電力の節約になると同時に,そういう「英断」をくだした企業は聴取者からの注目と敬意とをあつ…

節電

数日前,新聞の投書欄に,テレビの深夜放送をやめろ,という提言が載ったようにおぼえています.たしかに,深夜放送は電力の消費以外のなにものでもなく,節電の「敵」といってもいいような存在にちがいありません.しかし,テレビ局に対してだけ,こういう…