2012-03-01から1ヶ月間の記事一覧

例によっておかしな設定

竹本 泉『ながるるるるるこ』(芳文社,2012年 4月)読了.竹本氏の作品はおかしな世界でのできごとであることが多いんですが,それでもたいていはそれがどんな状況・どんな世界であるのかの説明がなされています.ところが,今回の「ながるる〜」はまったく…

設定の妙

桑田乃梨子『放課後よりみち委員会 1』(幻冬舎コミックス,幻冬舎,2012年 3月)と竹本 泉『あかねこの悪魔 4』(エンターブレイン/角川グループパブリッシング,2012年 4月)を読みました.どちらも学園ものですが,ちょっとおかしな空間にまぎれこんでし…

換骨奪胎のみごとさ

秋乃茉莉『傀儡華遊戯 チャイニーズ・コッペリア 1』(ぶんか社,2012年 4月)を読みました.タイトルにあるように,機械人形とそれをあやつる魔術師(?)が登場するのですけど,人形はことによるとほんものの人間である(あった)のかもしれず,またなぜそ…

よくわかるようになったような,そうでもないような・・・

国立劇場の歌舞伎公演「一谷嫩軍記」を見ました.九十八年ぶり(!)の復活である「堀川御所」を序幕に据え,昭和五十年以来の上演となる「流しの枝」を二幕目とし,「熊谷陣屋」につなげています.薩摩守忠度や岡部六弥太は,どんな人物でどんな活動をする…

日本語はむずかしい(?)

蛇蔵&海野凪子『日本人の知らない日本語 3 祝!卒業編』(メディアファクトリー,2012年 3月)を読みました.日本語学校での凪子先生の実体験を描いています.「第1章」では風邪で頭痛がしていたときに外国人生徒から「先生あたまわるいんですか?」とい…

町田市のミュージアムをハシゴ

町田市立博物館で ≪裁縫ひな形と布への想い≫ を見ました.「裁縫ひな形」とは「明治14年に「和洋裁縫伝習所(現東京家政大学)を開設した渡邊辰五郎が考案した、裁縫技術の習得方法の中で制作された衣類などのミニチュア」だそうです.いきなり着物を縫わせ…

浮世絵師を描くマンガ

岡田屋鉄蔵『ひらひら 国芳一門浮世譚』(太田出版,二〇一一年一二月)という本を書店の店頭で見かけて,買って読んでみました.国芳とその周辺を描いています.といっても,主役は伝八とよばれる男です.この人物の入水のシーンからはじまり,国芳一門の日…

小説?

中野京子『知られざるフランス革命 ヴァレンヌ逃亡 マリー・アントワネット 運命の24時間』(朝日新聞出版,2012年 2月)を読みました.フランス革命のさなかの,結局は失敗におわった,王一家の逃亡事件のてんまつを描いたものですが,「プロローグ」につぎ…