さまざまな意匠

東京国立博物館・東洋館で ≪海の道 ジャランジャラン≫ を見てきました.「日本インドネシア国交樹立60周年」とうたっていますが,正直なところ,インドネシアについてのわたくしの知識はほとんどゼロで,東南アジアの一国らしい,くらいしか知りませんでした.たまたま目にしたチラシにかなり特異な人物像(?)が描かれていたのでいってみたところ,奇抜で多彩な展示品に圧倒されました.チラシにあった人物(?)はワヤンといって,水牛の皮でつくったきわめて平面的なもので,影絵芝居で使われるのだそうです.「マハーバーラタ」や「ラーマーヤナ」に取材したストーリーはあるものの,独自の展開をもち,さまざまな神や英雄が出てくるものの,その造形はエキセントリックで,怪獣のようにも見えます.ほかに,かなり大きな染織が出品されていました.派手な赤色が目立ちます(青など地味なものもあるのですが).細かい模様がほどこされ,金箔が多く使われているのも特色です.クリスという(これまた装飾的な)剣もあり,「インドネシア」という国についての認識を得ることのできた企画展でした.