イタリア

池上英洋『イタリア 24の都市の物語』(光文社新書 496,光文社,2010年12月)を読みました.
「はじめに」につぎの記述があります.

「イタリアらしさ」がいかにして形成されてきたか―。本書は、 さまざまな歴史上のエピソードを追いながら、 イタリアという国が持つ諸相をともに見ることを目的としている。(pp. 5-6)

全体を4章にわけ,「第一章 男たちの物語」ではアッシジの聖フランチェスコレオナルド・ダ・ヴィンチのことを記し,「第二章 女たちの物語」は中世末期ころの女性6名を描き,「第三章 美にまつわる物語」は文字どおり美術や建築を,最終の「第四章 街―民と戦いの物語」は「普通の人々の日々の生活の集積・連続体である」「「街」そのもの」をとりあげています.そして「各エピソードがそれぞれひとつの都市を舞台とする」のが本書の特色になっています.ですから,タイトルに「都市の物語」とあっても,ローマとかヴェネツィアといった都市の歴史や名所などを説明しているのではありません.24の都市のなかには,わたくしなんか名前も知らなかったところもあります.カラー写真を多用しているのが,いいですね.
2008年 3月11日にJTBの講演会で池上氏が,イタリアの都市は3種にわけられる.高台につくられた町,街道筋のいわば宿場町,それに港町だ.と,話されていたことをおもいだしました.