井上章一氏の新刊

『妄想かもしれない日本の歴史』(角川選書 485,角川学芸出版角川グループパブリッシング,平成二十三年二月)読了.「まえがき」に

ジンギスカン源義経だったという話を、 耳にしたことのある人は、 すくなくないだろう。しかし、 本気でそう信じている者は、 ほとんどいないと思う。とるにたりないヨタ話として、 かるくわらいとばすのが、 ふつうではなかろうか。
とはいえ、 この話にまったく意味がないとも、 私は考えない。

とあります.「ヨタ話」ともいわれかねないようなことがらをとりあげて,そこから既存・既成の歴史(および歴史観)への見直しをはかる井上氏の新著は,スリリングで,知的好奇心をかきたててくれます.どの項も興味深いのですけど,わたくしは「「たんたんたぬき・・・」を、 さかのぼる」と「源頼朝が娘にたくした夢」,それに「采女のさだめ」をとくにおもしろく読みました.