100周年

都合でカキコミがおくれてしまいました.以下は昨13日の記述です.
GAS MUSEUM がす資料館で ≪料理教室100周年『プリンも、グラタンも、ローストチキンも! みんな僕んちにやってきた!!』展≫ を見ました.ガスの炎は,あかり(ガス灯)としてはじまりながらも,明治30年には調理分野での熱源として利用することがこころみられ,1913年(大正2年)に東京ガス(株)が「第一回料理教室」を開催し,ことしで100周年となるのだそうです.「料理教室」と聞くと,モダンなものにおもえますけど,100年もの歴史があったんですね.もっとも,明治維新より半世紀ちかくをへた大正初期の時点では,江戸以来の文化や伝統がとだえて,あらたな時代に入りつつあったのかもしれません.そうした,料理にかんする種々の文献やじっさいの調理器具,むかしのレシピにしたがって再現した料理(の写真)などを展示しています.GAS MUSEUM の企画としてはちょっと異色で,東京ガスの宣伝めいたところもありますけど,たいそう興味ふかく見ることができます.村井弦斎が「食育」ということを提唱していたなんて,はじめて知りました.村井弦斎については,わたくしはなまえを知っているだけで,著書を読んだことはありませんが,『食道楽』には料理にかんする話題がいろいろと出てくるんだそうですね.こんにちのグルメ本のはしりなのかもしれません.が,「食育」をとなえたというあたりに,すじのとおった気骨(とでもいうべきもの)が感じられます.食糧自給率が4割を切っているのに食材の大量消費と大量廃棄を平然とおこない,食物をあそびにつかってインターネットに投稿して得意がっているようなバカな現代人には,いまこそ「食育」がなされなくてはならないでしょう.「「米」という字は「八十八」と書く.それほど多くのひとの手がかかっているのだから粗末にしてはいけない」などといわれたものですが,いまのこどもたちはそんなはなしを聞いたことがあるのでしょうか.