新宿をテーマとした企画展

新宿歴史博物館で ≪戦後昭和の新宿風景 1945-1989≫ を見ました.「太平洋戦争の終戦から昭和の終わりまでの新宿区内の写真を展示」しています.新宿駅ちかくや神楽坂や四谷など,いろいろな場所でのいろいろな情景が写しだされています.風景やひとびとの服装など,今とはずいぶん異なっており,ある意味でなつかしさを感じさせもします.いかがわしい風俗の店,東京オリンピック当時のありさま,デモ行進,歩行者天国の開始,新しいビルの新築などなど,<新宿>にはこういうことがあったのか,ということを教えてくれる企画展です.航空写真もあり,現在の新宿副都心となっているあたりがひろびろとした淀橋浄水場だったなんて,現代のわかいひとたちには想像もつかないかもしれません.
ここから早稲田にまわり,エンパクの特別展 ≪あゝ新宿 スペクタクルとしての都市展≫ を見てきました.こちらにも新宿の風景を示す写真がいくつか出されているのですが,それよりも,<新宿>における<文化>に焦点をあわせているのが特色です.アートシアター新宿文化での上映・上演作品のポスターやパンフなどの資料を展示するほか,大島渚監督の『新宿泥棒日記』(1969年)の一部を上映したりもしています.企画展示室の外の廊下には紀伊国屋書店伊勢丹中村屋といったビルの創設の由来を説明したパネルがあって,ここには,ひろい意味での<文化>をさぐろうとする意図が見えるようです.なお,第二会場には磯崎新氏による<新都庁>設計案にかんするもろもろの資料が公開されており,わたくしは建築にはまったくのシロートなのでなにもわからないのですが,屋上の球形とピラミッド型の造形にはおどろかされ,つよく印象にのこりました.