キリスト教の図像ばかりではない

繭山龍泉堂で ≪六田知弘写真展 ロマネスク≫ を見てきました.フランス,スペイン,イタリア,それにイギリスの教会や修道院の写真を50点ばかり展示しています.建物の全景を写したものもあれば,柱頭の装飾や浮き彫りなどの細部にせまったものもあり,取りあげ方はいろいろです.「トマスの不信」や「キリストの捕縛」といった聖書に記されたエピソードをあらわすものもあれば,「ハルピュイア」や「ガニュメデスの誘拐」など(異端の)ギリシア神話を題材とするものまであります.ロマネスクの聖堂にはモノクロが似合うとおもっていたのですが,ゆたかな色彩を有する部分もあって,一概にはいえません.イタリアの壁画にはカラフルなものがおおいようです.それにしても,こういうのもあったのか,と,認識をあらたにさせられました.一昨日も書いたことですが,あわただしい <現実> にまどわされずに,いにしえのひとびとがつくりだしたさまざまな <モノ> に向き合う時間をもっと持ちたいものです.