見るだけでいい

またも半月あまり更新を怠ってしまいました.感想を記すのがめんどくさいというのが最大の理由ですが,それだけでなく,見たものについての感想というのが案外のクセモノで,厄介で,むずかしいことでもあるからです.見はしたものの,その感想をいいあらわすことができずに終った企画展も(この半月のあいだに)いくつかあります.そんななかで,きょうは東京都庭園美術館の ≪ブラジル先住民の椅子 野生動物と想像力≫ を見てきました.これは標題に記したとおり,見るだけでおもしろいというか,あれこれと書いたり論じたりしなくてもいいんじゃないかという気持ちにさせられた展示です.太い木を伐りだして椅子を作る,しかもそこに動物のすがたをあらわすということをしている民族がある,ということを知っただけで,なんとも楽しい気分になれます.椅子のかたちや大きさもさまざまで,動物もいろいろ.恐ろしげなのもいれば,ユーモラスなのもいます.ここには当然シャーマニズムがあるのでしょうけど,それよりもこうした「モノ」自体を,おもしろく見ました.