「前夜祭」ということば

朝日新聞の今月8日(火)の夕刊に渡辺金一氏の訃報が載っていました.そこに「前夜祭は8日午後6時、 葬儀は9日午後0時30分から東京都国立市中1の7の14の日本キリスト教団国立教会で。」とあります.「前夜祭」ということばが気になったので,訂正記事が出るのではないかと注意していたのですが,いまのところ(わたくしの見おとしがあるのかもしれませんけど)訂正はおこなわれていないようです.ところで,念のため辞書を引いてみたら,『大辞林 第三版』に2番目の意味として「神葬祭の儀式の一。仏式の通夜に当たる」との説明があるのを発見しました.だとしたら,わたくしがはじめに感じた違和感はかならずしも正しくはなかったことになります.もっとも,渡辺氏の葬儀はキリスト教の教会でおこなわれたようですので,『朝日』の記事はやはり不適切な用語を用いたというほかないのではないでしょうか.本日,朝日新聞のサイトの「おくやみ」を検索したところ,渡辺氏の訃報を見出すことはできませんでした.臭いものにはフタをして失策を糊塗する,という姿勢が「大朝日」にもあるのではないかと,かんぐってしまいます.