新境地?

川原由美子『ななめの音楽 1』(眠れぬ夜の奇妙な話コミックス,朝日新聞社朝日新聞出版.2011年 7月)を読みました.これまでの川原氏の作品とはまるでちがうようです.近未来SFなんでしょうか.(あえていうなら「翡翠の森」にちかいのかもしれません).なぞめいていて,わからないところのほうがおおい作品です.「絵」も独特ですね.1ページを横長のコマ4段で構成しており,コマの背後は黒ベタに塗りつぶされています.主人公(らしい)こゆるはべつとして,他の登場人物たちはあまり感情をあらわにせず,無表情な顔つきが,黒ベタのバックとあいまって異様なふんいきをかもしだしています.これからどう展開していくんでしょうか.なお,各章のあいだには,登場人物を幼児体型にしたイラストが掲載されており,これを見るとなんだかほっとします(笑).