マンガ

今年はじめて買った本

黒鉄ヒロシ『天変地異』という本を買いました.PHP研究所が昨年11月初旬に刊行したらしいのですが,本屋の(マンガではなく)日本史のコーナーに置かれていたので,気づかずにいて,たまたま目にしたので買い求めましたけど,なんといったらいいんでしょうか…

妖怪関連で

流水りんこ『流水さんの百物語』(ぶんか社,2018年 8月)を読みました.お盆の季節にあわせて出版した,という面があるのかもしれませんけど,霊魂の妖しさ・不思議さは時期に関係なく,いろいろな局面で多様な形態をとってあらわれてくるようです.怖いエ…

どう評価すればいいのか,よくわからない

近藤ようこ([原作]田中貢太郎)『蟇の血』(KADOKAWA,2018年 2月)読了.標題に記したとおり,なんといえばいいか,よくわかりません.「あとがき」で近藤氏は「田中貢太郎は大正から昭和にかけて広い分野で活躍した作家らしい。[中略][「蟇の血」は…

ことし初めての読書

なにもしない三が日を過ごしてしまい,これではいけないと,溜まっていた本のうちから山岸凉子『レベレーション(啓示)3』(講談社,2017年12月)をとりだして読んでみました.既刊の『1』と『2』もざっと読みかえしました.ほとんど忘れていて,初めて読む…

本の魅力(?)

山田英生(編)『ビブリオ漫画文庫』(ちくま文庫,筑摩書房,二〇一七年八月)読了.オビに「本がテーマの傑作マンガ集」とあります.古本屋を舞台にしたマンガや,本にまつわる思い出などをあつかった作品19点を6項目に分けて掲載しています.なかにはオカ…

堪能

きのうは秋乃茉莉『賢者の石 冥府の柘榴』(ぶんか社,2017年 8月)を,そしてきょうは(買ってきたばかりの)遠藤淑子『なごみクラブ 8』(竹書房,2017年 8月)を読みました.テーマも作風もまるでちがいますけど,どちらも堪能し,充実した読後感を味わう…

超ユニーク

川原 泉『バーナム効果であるあるがある』(白泉社,2017年 7月)読了.待望の新刊です.例によっての川原氏独自の魅力(特色?)満載で,なんといっていいのか,評することばが見当たらない,というのが正直な感想です.

例によってヘンなマンガ

panpanya『動物たち』(白泉社,2016年12月)を読みました.例によってふしぎな作風のものばかりです.panpanya氏はさかなへの関心がつよいのかとおもっていましたが,今回の本はタイトルにあるとおり,いろいろな動物が出てきます.なかで「猯」と「狢」は…

マンガに連なる趣向・技法

日比谷図書文化館で ≪江戸からたどるマンガの旅 鳥羽絵・ポンチ・漫画 [後期展示]≫ を見てきました.展示替えがあるというので,前期展もいきたかったのですが,出かけるのがおっくうだったり,いろいろと事情があって,会期終了間近の今日になってようや…

熟読の価値あり

『山岸凉子画集 光』(河出書房新社,2016年 9月)読了.山岸氏の「本格的な画集」はこれが初めてなのだそうです.『妖精王の帰還』(ブッキング,2007年 3月)や『太陽の地図帳 032』(平凡社,2016年 1月)など,画集にちかいものはありましたけど,初期か…

とてつもない「秘密」

清水玲子『秘密 season 0 4』(白泉社,2016年 8月)読了. 暗闇のなかでも,ものを見ることのできる人間がいる.「しかし○○○はハッキリ認識出来ない」.しかもこの能力は遺伝するらしい.「可視光線」という題をもつ season 0シリーズの4冊目はこんな能力(…

40周年

西武池袋本店 別館2階の西武ギャラリーで ≪LaLa 40周年記念原画展 美しい少女まんがの世界≫ を見てきました.「月刊 LaLa に掲載された[・・・]総勢63名の作家による原画270点以上を一挙公開」しています.わたくしが読んだことのある漫画家さんは63名のうち…

ことしに入って4冊目

流水りんこ氏の活躍が目立ちます.ことしになってから『オカルト万華鏡 5』『流水さんの霊能者行脚』『昭和のこども 6』が刊行されたのにつづいて,『流水りんこのアーユルヴェーダはすごいぞ〜!』(主婦と生活社,2016年 7月)が出ました.どれもエッセイ…

深刻で重苦しくて,しかもコミカル

TONO『砂の下の夢 空の下の緑 2』(秋田書店,平成28年 7月)読了.標題に記したとおり,描かれるエピソードはどれも人の情念の理不尽でやりきれぬおもいに満ちているのですけど,それでいて,おもしろさを感じさせられる,という,ちょっと不思議なところが…

いろいろな見方

昨年は赤塚不二夫氏の生誕80周年にあたっていて,「おそ松さん」という新作アニメが放映されたり,赤塚不二夫氏にかんするイベントもいろいろと催されたりしたようです.そうした流れに乗るもののひとつでしょうか,『pen + いまだから、赤塚不二夫』(CCCメ…

最近おもしろく読んだ本

2週間もブログの更新を怠ってしまいました.ごく少量とはいえ本を読んだり,美術館にいったりもしていたのですけど,感動したところがある一方,不満足な点も多かったので,感想を記すのを控えていました.が,そうした両様の感覚をはじき飛ばすような本に…

TONO氏の面目躍如

TONO『ウサギコットン100% 1』(白泉社,2016年 6月)読了.巻末に付された「カレンのファスナー」の宣伝ページに「とのちゃんたら/絵はカワイイのに/よくもまあ/こんな話を」とあります.この評は本書にもそっくり当てはまります.人物(の絵)は可愛い…

あらためてとりくむ価値あり

武蔵野市立吉祥寺美術館で ≪萩尾望都SF原画展 宇宙にあそび、異世界にはばたく≫ を見ました.わたくしは,萩尾氏の作品は文庫本を数冊読んだだけで,とうてい読者であるなどとはいえないんですけど,気になる作家であったことはたしかです.それで,吉祥寺…

初の原画展

スパンアートギャラリーで開催中の ≪坂田靖子 原画展≫ を見てきました.河出書房の『ふしぎの国のマンガ描き』出版を記念しての企画だそうです.絵は,すでに本で見て知っているのですが,原画には大きさや色彩の微妙な感覚やタッチなどの点で,印刷されたも…

40周年

『総特集 坂田靖子 ふしぎの国のマンガ描き』(河出書房新社,2016年 2月)読了.デビュー40周年を記念しての刊行だそうです.著者へのロングインタビューや萩尾望都氏との対談もあれば,カラーイラストや(ごくわずかですが)作品の採録,年譜,作品リスト…

さりげないところに<感動>がある

「感動的」などといったら,陳腐な表現といわれるかもしれませんけど,そういうほかないのが遠藤淑子氏の新刊『ヨシツネ』(幻冬舎,2016年 1月)です.掲載紙がちがうためか,巻頭に置かれている「ヨシツネ」はかなりコミカルでメタマンガ的な要素がつよく…

現代の問題を告発する

清水玲子『秘密 season 0 2,3』(白泉社,2015年 9月)読了.「秘密」にとりかかるにはよほどの覚悟がいるので,発売当日に入手はしたものの,そのままになっていました.きょう,読みはじめ,一気に2冊を読みおえました.すごい,としかいいようがありま…

ひさしぶりに読破

猛暑のあとは台風の影響でしょうか,大雨・大風の不順な天候となって,そのため(と,例によってのいいわけですが)なにもしない日々がずっとつづいていましたけど,3日まえにマンガを4冊買いこみました. TONO・うぐいすみつる『うぐいす姉妹のはらぺこご…

パロディー化のおもしろさ

遠藤淑子『なごみクラブ 6』(竹書房,2015年 7月)を読みました.「第57話」のつぎに置かれている「リバーシブル」は描き下ろしなのでしょうか.それぞれの冒頭の1ページ目とラストの1コマは,絵もセリフもほとんど同じですし,ほかにも同じセリフがあち…

今どきにふさわしい本(?)

流水りんこ『アナタもワタシも知らない世界 オカルト万華鏡 4』(朝日新聞出版,2015年 7月)読了.このところのうっとうしい気候と政治状況のせいで(と,責任転嫁してますけど),なにもやる気がおきず,本を手にとっても途中で投げだしてしまうことがおお…

学習マンガ(?)

蛇蔵『決してマネしないでください。2』(講談社,2015年 6月)を読みました.既刊の『1』を読んだときにもおもったのですが,なんともヘンな作品です.オビに「楽しく知的な、大人の学習マンガ!!」とあるのですけど,ふつう「学習マンガ」というと,知識や…

例によってよくわからない

panpanya『枕魚』(白泉社,2015年 5月)を読みました.panpanya氏の3冊目の単行本です.作者とおぼしい少女が,あちこちに出かけてはいろいろな体験をする顛末を描いていますが,その「場」は,現実の世界を具体的にあらわしているかとおもえば,まるであり…

すごい!(としかいいようのない)世界

吾妻ひでお『ワンダー・AZUMA HIDEO・ランド』(復刊ドットコム,二〇一五年二月)読了.単行本未収録作品ばかりを集めたそうです.1970年代末から2010年代はじめまで,雑誌やインターネットなどいろいろな媒体で公にされたものを,「ギャグ」とか「SF・不…

読者サービス?

森 薫『乙嫁語り 7』(KADOKAWA,2015年 2月)読了.戦闘シーンが多かった前巻とはうってかわって,「裸まみれの風呂マンガ」になっている,と,「あとがき」にあります.また,「絵柄も少し変えて」「いつもより大分さっぱりです」とも書かれています.が,…

ノンセンスの極み

吾妻ひでお『チョッキン[完全版] 』(全3巻,復刊ドットコム,2014年10〜12月)読了.「完全版」とうたっているのは,単行本未収録作品も掲載しているからです.この作品の内容・特色・マンガ史上での意味や影響については「第3巻」に付された佐野邦彦氏…