美術(?)鑑賞

泉屋博古館分館で ≪神秘のデザイン 中国青銅芸術の粋≫ を見ました.神々への捧げ物をいれる容器とか,酒をあたためる器とか,三千年以上まえにこんなにいろいろな道具がつくられていたのかと,おどろかされます.その表面をおおいつくさんとばかりにさまざまな文様が描かれているのにも,やはりおどろかされます.饕餮や龍や鳳凰などの意匠もすばらしいですね.おもしろいことに,時代が下ると,装飾はむしろ衰退したらしいのです.古代の「美」は単純素朴で,文明がすすむにつれて美意識が発展して精緻な表現が生まれる,という一般的な観念をくつがえすような契機が,中国の青銅器にはあるのかもしれません.