遠藤淑子の世界の豊饒さに圧倒されました

遠藤淑子『空のむこう』(白泉社文庫,白泉社,二〇一二年九月)読了.学園ものあり,時代劇あり,西洋中世(?)の物語あり,エッセイマンガありと,非常に多彩です.どの作にも,登場人物たちの切実な感情がみちあふれていて,読むたびに感動(ということばではいいあらわせないほどの衝撃)におそわれました.やはり,遠藤淑子はすごいです.ひとりでもおおくの方に遠藤氏の世界を知ってほしいと,おもいます.そんなふうにかんがえるひとが出版社のなかにもいるのでしょうか,本書のオビに「遠藤淑子史上初の壮挙 5か月連続新刊発売!!」という案内があって,来年1月まで遠藤氏の新刊がつづいて出ることを告知しています.ことなる出版社を縦断して,「あとがき」や「リレーイラスト」が掲載される(らしい)のは,遠藤氏にたいする出版社の敬意のあらわれとおもわれ,そうした営為をなす出版社にたいして,わたくしも敬意を表したいと,おもいます.