合わせ鏡のような,ちょっとかわった技法

桑田乃梨子『放課後よりみち委員会 2』(幻冬舎コミックス幻冬舎,2012年 9月)読了.荒唐無稽でいて,どこかほのぼのとしたところのあるヘンな学園マンガです.このさきの展開を作者はどれほどかんがえているんでしょうか.初期設定,というか,たんなるおもいつきだけで始めてしまったような気もするんですが・・・.異世界への出入り口がひとによってまちまちであるのも,いいかげんでおもしろいですね.ペンギンに変身する飛鳥くんのそれが男子トイレで,湖のなかで用をすませている(らしい)というのが笑えます.なお,本書の「その12」と「その13」はおなじできごとをふたりの人物のことなる視点から描いており,せりふは共通しています.こういう技法は,とくにめずらしいものではありませんけど,マンガではそうしょっちゅうあるものではないようで,以前なにかで読んだおぼえはあるのですが,どなたのどの作品だったか,はっきりとした記憶がありません.この作のヘンな感覚を増幅してくれるヘンな技法として,おもしろく読みました.