装飾への執念(?)

天理ギャラリーで ≪東アジアの古代瓦 その起源と伝播≫ を見ました.瓦にとくに興味があるわけではなかったのですが,どんなのがあるのだろうかとおもって,覗いてきました.「日本に瓦が伝わったのは今から約1400年前のことです」との記述が冊子の冒頭にあります.中国や朝鮮の瓦文化(?)が日本にもたらされたらしいんですね.「建築材料の一つである」瓦も「その起源はヨーロッパ、東アジア、東南アジアで異なり、それぞれ独自な発想によって誕生した」のだそうです.木や草を葺いた屋根にくらべれば,瓦のほうが風雨をしのぐのにすぐれていることはいうまでもありません.初期の瓦は,そうした機能重視の実用的なものだったのでしょう,「当初はどの瓦にも紋様はなく、無紋の瓦が屋根の一部を覆っていました」とのこと.が,そこに「装飾」をほどこすということが,いつごろからおこなわれたんでしょうか,さまざまな文様が登場します.饕餮紋とか鳳凰紋,鬼面紋,蓮華紋,唐草紋など,呪術的な意味ももちろんあるんでしょうけど,ものの表面を装飾でおおう,という発想があったのではないかと,かんがえてしまいます.けっこうおもしろく見ることができました.