雛祭りにふさわしい催し

中野区立歴史民俗資料館で ≪おひなさま展≫ を見てきました.「中野区内の江戸時代から昭和初期までの雛段飾りを中心に、さまざまな雛人形、約40組を展示」しています.企画展示室の入口のところにはこの資料館建設の基となった山崎家の雛段飾りを置いていますけど,これがすごいですね.最上段二段に内裏雛六対を置いています.累代の刀自たちの嫁入りのときの調度なのでしょうか,それらをすべて飾っているところに,「旧家」の意識を見ることができるようにおもいます.他の展示資料は中野区の住民の方たちからの寄贈のようですが,年代や規模や内容などいろいろで,こういうのもあるのか,と,どれも楽しんで見ることができました.雛人形といえば,ふつう,内裏雛と右大臣・左大臣三人官女,五人囃子に各種の調度というのが典型ですけど,そうした規範にとらわれぬ面があって,そこに,女児の生育をおもうひとびとのねがいがあるようにおもわれます.雛祭りとは関係のなさそうな人形(花咲か爺いとか桃太郎といった昔話や,歌舞伎舞踊の汐汲みや藤娘など)も飾っているあたり,なんでもありという気もしますが,やはり,ことほぐ気持ちがあるのでしょう.なお,資料館の展示は16日までですけど,本日まで「まちかどひなめぐり」という催しがおこなわれていました.沼袋の商店街のあちこちの店内やショーウィンドーに雛人形が飾られています.ふるいものもあれば,幼稚園児たちが作った素朴な(はっきりいってチャチな)ものもありますけど,こういうのはいい傾向ですね.町じゅうそろってのイベントというのは,ぜひ,継続・発展させていってほしいものです.