むかしのことにおもいを馳せる

杉並区立郷土博物館 分館で ≪「記憶画」をひもとく 古老 矢嶋又次が描いた荻窪界隈≫ を見ました.
このブログには記しませんでしたが,1年前に ≪荻窪今むかし 荻窪の古老 矢嶋又次が遺した「記憶画」≫ を見ています.矢嶋氏は「明治38年荻窪駅北側の『矢嶋足袋店』に生まれ」,家業を継いで洋品店をいとなみ,古希を機に「荻窪のまちと商店街の変遷を絵にとどめようと筆を執」ったそうで,大正から昭和初期のころの光景を,おもいだすままに描いています.絵の巧拙をウンヌンするのはヤボというものでしょう.(おなじ位置にある人物のほうが家よりも大きく描かれていたりするのですから).古拙なところに,なんともいえぬ味があります.昨年は全50点を一挙公開しましたが,今年の展示は10数点にしぼり,ことにそのうちの数点に描かれている内容を写真などの資料によって検証しています.天沼陸橋のちかくにあった「都築脚気研究所」とか「一井宅」,高円寺の蚕糸試験場などを紹介し,キセルや肥桶など実物を展示しています.むかしはこうだったんだな,ということをおしえてくれる,貴重な企画といえるでしょう.