タダのところばっかり

ミュージアムを3か所ハシゴしてきました.はじめにいったのが中野区立歴史民俗資料館の ≪江戸明治絵画の粋≫ です.区内の旧家に伝わった作品12点を展示しています.酒井抱一や椿椿山や河鍋暁斎など,中野あたりによくこんなのがあったな,といったら失礼かもしれませんけど,田舎(!)の旧家だからこそ残されていたのかもしれません.「田舎」といったのは,江戸時代のひとびとにとっては中野かいわいはまさに田舎だったとおもわれるからです.(常設展示室には「生類憐みの令」の結果としての野犬収容施設があったことがしめされています).つぎに,神田に出て,天理ギャラリーで ≪精霊との出会い 西部ニューギニア先住民 神がみのかたち≫ を見ました.「埼玉県鶴ヶ島市寄贈記念」と銘打たれており,鶴ヶ島市がなぜニューギニアの資料をもっていたのか,よくわからないのですが,「精霊」の像のユニークさにおどろかされました.西部ニューギニアのひとびとは20世紀なかごろまで石器時代とかわらない生活をおくってきたそうで,アニミズムがいきわたっているのが特色とのことです.さまざまな祖霊像のほか,楽器や食器やカヌーの装飾などにも祖霊像がかたどられています.「精霊仮面」というのも展示されていました.木の皮の繊維を編んでつくったもので,顔だけでなく「全身を覆い隠すようにすっぽりと被るので、その姿はまさに精霊そのものである」由.むかし見た映画「エミタイ」に出てきた神さま(雷神)がやはりこんなふうだったようにおぼえています.淡路町から西新宿にいき,新宿住友ビル48階の平和祈念展示資料館で ≪マンガにみる引揚げ体験≫ を見ました.赤塚不二夫氏をはじめとする8名の漫画家さんの作品10数点を展示しています.平和祈念展示資料館というところははじめていったのですけど,常設の展示には胸をしめつけられ息苦しいおもいにさせられる内容がおおいのですが,それに対し ≪マンガにみる引揚げ体験≫は,悲痛ではあるものの,ほがらかというか,あかるい気持ちをいだかせてくれるような雰囲気(とでもいえばいいでしょうか)があることに気づきました.これも「マンガ」の偉功(威光?)なのかもしれません.