端午の節句の飾りたて

きょうは中野区立歴史民俗資料館で ≪企画展 端午の節句≫ を見ました.このブログには記しませんでしたけど,先月末以来,武蔵村山市立歴史民俗資料館,石神井公園ふるさと文化館に隣接する旧内田家住宅,杉並区立郷土博物館でおなじような展示を見ています.規模からいえば,今回が随一です.鎧兜を中心に据え,背後に「幟枠」というんでしょうか,丈のひくい柵のような木製の台に幟や槍を差し込んで飾り,武者人形やさまざまな調度(弓矢や太刀,軍扇,陣笠,采配,太鼓など)を配する飾りつけを8セットも展示していました.年代は大正末から昭和なかごろまで.昭和20年代の作がありましたけど,幟や槍の柄に螺鈿細工がほどこされていたのに,ちょっとおどろきました.敗戦後の,日本がまだ貧乏で物資にことかく時代にこんな飾りつけをつくっていたのは,子をおもう親の心情なのでしょうか,あるいは職人の意気地だったのでしょうか.幟に登場するひとでは,神功皇后武内宿禰神武天皇鍾馗がおおいようですね.金太郎の人形もいろいろな姿のものがあり,古来の伝承のあれこれを確認することができます.もっとも,こうした習俗がどれほどつづくのか,一般家庭での飾りつけが(おそらく)途絶えているらしい現代では,「文化」の継承について悲観的にならざるをえません.