「駄」文化の価値

石神井公園ふるさと文化館で ≪特別展 懐かしの風景 北原コレクションの世界≫ を見ました.「第1章 大正・昭和戦前期」から「第5章 高度経済成長期後半」まで,時代順に,さまざまなおもちゃ類を展示しています.おもちゃのほか,雑誌の付録や薬の袋,映画のポスターにカストリ雑誌,貸本漫画,企業の看板や宣伝用のキャラクターグッズなど,じつに多彩です.北原照久氏のコレクションはどれほどの量にのぼるのでしょうか.個々の「(芸術的・文化的)価値」はさほどてはないにしても,これほどまとまって示されると,「<駄>文化」(などといったらお叱りをうけるかもしれませんけど)とでも称すべきジャンルがあるのではないだろうかと,かんがえてしまいます.
ここに「<駄>文化」ということばをあえてつかったのは,いわゆる「B級文化」とはちがうとおもったからです.こんにち,けっこうもてはやされている「B級文化」は正統的な(A級の)文化にたいする自己主張をふくんでいるとおもうのですが,わたくしが「<駄>文化」としてあげたものには,そうした面よりもむしろ「懐かしさ」という性格がつよいとおもうからです.これは,わたくしのまったく個人的な感想にすぎませんので,実証するわけにはいきませんけど,こんな捉え方もあるということを知っていただけたなら,さいわいです.