細部へのこだわり

町田市立博物館で ≪ガラスの鼻煙壺 清朝の嗅ぎたばこ入れ≫ を見ました.鼻煙壺とは,17世紀から20世紀ころに清朝で流行した嗅ぎたばこを容れる容器で,素材も陶器や象牙などいろいろなものがあるようですけど,今回は主にガラスでつくられたものを展示しています.大きさ(高さ)も,10cmをこえるものもありますけど,たいていは数cmで,現代人の感覚からすれば,香水の瓶のようなものとおもえばいいでしょうか.ガラス瓶そのままの形もあれば,野菜や貝を象ったものもあります.なかで驚かされるのは,内画(うちえ)という技法です.瓶の口からL字形の筆を差し入れて,内側からさまざまな絵を描いています.こんな小さい瓶に,よくも描けたものです.逆に,外側にやや立体的な装飾を施したものもあります.被せ(きせ)ガラスといって,異なる色のガラスを重ねて焼成させています.よくまあ,こんな小さなものにいろいろな技術をつくしたものだと,あきれてしまうほどですが,それだけに,目を楽しませてくれる企画展になっています.