タイルから読みとれるもの

LIXILギャラリーで ≪タイルが伝える物語 図像の謎解き≫ を見ました.<西洋/中国/イスラーム> の3部に分けて,さまざまなタイルを展示紹介しています.えっ,これがタイルなの,とおもわされるほどの,油彩画のような作品もあれば,彫刻にちかい,浅浮き彫りのようなものもあります.大きさもいろいろ.西洋ではオランダでタイル絵がひろくおこなわれたそうですが,ここに,たんなる美術としてだけではない,社会的・歴史的な推移を見ることもできそうです.中国では塼というれんがでつくった二十四孝の像があるとか.ところかわれば品かわるで,いろいろですね.イスラームのタイル作品では,色彩のあざやかさに圧倒されました.2時からはAGC studio で岡田恵美子氏の講演「タイルに描かれた物語 ペルシアの神話と恋物語を読み解く」を聴きました.はじめに,イラン国王に宛てて留学希望の手紙を書いて,それがかなえられた,というご自身の体験談を語られ,古代ペルシアと日本とのかかわりを正倉院御物のスライドで示し,イランにおける文学の重要性を強調されました.タクシーの運ちゃんが詩の一節を吟じたとか,「王書」のリズムが現代のリズム体操に使われているとか,留学・渡航経験に根ざしたエピソードをおもしろく拝聴しました.