学習マンガ(?)

蛇蔵『決してマネしないでください。2』(講談社,2015年 6月)を読みました.既刊の『1』を読んだときにもおもったのですが,なんともヘンな作品です.オビに「楽しく知的な、大人の学習マンガ!!」とあるのですけど,ふつう「学習マンガ」というと,知識や情報を伝えるのが主目的で <マンガ> はそのための手段というか形式にすぎないものが多いのではないかと,おもいます.が,この作はマンガとしての設定やストーリーと,そのなかに置かれる科学史のエピソードとが,どちらが主ともいえぬほどに同等にくわしく描かれているのが特色です.そういえば,高野文子氏の『ドミトリーともきんす』(中央公論新社,2014年 9月)も,マンガの枠組み(ストーリー)と,そこに引用される著作との関係がふしぎな印象をつくりだす,どう評価すればいいのかよくわからない作品でした.なお,たまたま『マネしないで〜』と同日に買ってきた,よしながふみ氏の『きのう何食べた? 10』も,やはりストーリーと情報(料理のレシピ)とが同等の比重で描かれています.こういうのは,ほかにもあるんでしょうか.どうも,<マンガ> とは一筋縄ではいかないもののようです.