子どもをあつかった展示

国際基督教大学博物館湯浅八郎記念館で ≪子どもと遊び≫ を見ました.明日が最終日というギリギリのところだったんですが,やはりいってよかったです.「子どもと遊び」というタイトルのもとに,日本各地の郷土玩具,子どもの着物,子どもの風俗を描いた浮世絵,という三部門に分けて数多くの資料を展示しています.郷土玩具の素材は張子や土などおおかたは粗末なものですが,そこに描かれている(あつかわれている)題材はじつに多種多様で,子どもの成長をねがうおもいがこめられていることが,よくわかります.子どもと動物を組みあわせているのもあり,鯛に乗ったり,鯛をかついだりしている作もありました.着物の柄もいろいろで,吉祥文様が多いものの,昭和初期の着物にミッキーマウスが描かれたのがあったのには,ちょっと驚かされました.子どもを描いた浮世絵が多くあることはすでに指摘されており,本展にも子どもの遊びを描いた作品が出ていますけど,遊びをたんにそれとしてあらわしたのではなく,当時の政治情勢を諷するものもあります.「子どもと遊び」という,とくにどうというほどのこともないようなタイトルの企画展ですけど,十分に堪能しました.