暑いときにはこういうのがイイ(?)

本屋の店頭でたまたま見つけたムックを2冊買いました(買ってしまいました).『TJ MOOK 決定版 日本の妖怪』(宝島社,2015年 9月)と『空旅人 ベストシリーズ 妖怪と幽霊』(三栄書房,2015年 8月)です.前者はさまざまな妖怪の図鑑といったおもむきで,妖怪たちの別名や特徴や生息地を記し,図版を掲げ,解説しています.じつにいろいろな妖怪がいますね.なお,「妖怪」ということばは論者によって指し示す意味や内容がことなっている場合がありますので,注意が必要です.この本では「呪う妖怪 女性編」「呪う妖怪 男性編」という項を設けてお岩様や累や菅原道真らをとりあげていることからもわかるように,「幽霊」も「妖怪」にふくまれると解しているようです.いっぽう,三栄書房版は「妖怪と幽霊」というタイトルからして,「妖怪」と「幽霊」とを別物としてあつかっています.こちらの本は,九尾の狐や化け猫などをとりあげるほか,妖怪を描いた絵師たち(北斎国芳や石燕など)のひとと作品について解説し,さらに幽霊の出てくる歌舞伎や怪談もくわしく説明しています.2冊の本で重複している妖怪も多い(というより,ちがう方がすくない)のですが,図版や解説のしかたなど,こまかい部分にアプローチの差(とでもいったらいいでしょうか)があって,おもしろく読みくらべることができます.