ことしもっとも印象にのこったもの

美術では永青文庫の「春画展」をあげます.よくも公開してくれた,と,感謝の念がわきおこってくるほどの大胆な企画でした.ただし,展示スペースのためか,あるいはできるだけ多くの作を見せようとのおもわくからか,個々の作品の全体像に接することができにくかったのが難点です.いわば,こまぎれ的な展示になってしまったのです.春画には12点でワンセットになっているものがかなりあるのですが,前期ではA作品の1から6までと,B作品の1から6まで.そして後期はA,Bそれぞれの7から12までを展示するというやりかたでした.(じっさいはもっと複雑でした).これよりも,前期はAの1から12まで,後期はBの1から12までという展示のほうがよかったのではないでしょうか.もっとも,一度しか見にこないひとにはいろいろな作を見ることのできるほうがありがたいかもしれません.他に,このブログには記さなかったのですが,そして美術というジャンルに入れていいものか疑問もあるのですが,10月に入間市博物館で見た「木と生きる アイヌのくらしと木の造形」を紹介しておきます.なかでも,「イクパスイ」と呼ばれるへら状の儀礼具はすごいです.多種多様な装飾には圧倒されます.
漫画では,清水玲子氏の『秘密 season 0 2,3』がダントツです.