初見物(?)

国立科学博物館で ≪ワイン展≫ を見てきました.新春にはじめて美術館や博物館にいくことをなんというのか,わからないままに「初見物」というタイトルを付してしまいましたけど,はたしてこれでよかったんでしょうか.元日の新聞に載っていた講談社の広告に「読みぞめ」ということばがありましたけど,「初〜」とか「〜初(そ)め」とか,あるいは「〜はじめ」といった,新年はじめてのことを表わすことばにはいろいろなものがあるようです.さて,「ワイン展」ですが,たべものとしてのぶどうにはじまって,その種類や生育のあれこれ,発酵させてワインとするためのさまざまな作業工程,世界各地でのワインの歴史など,じつに多面的に解説しています.ワインボトルやワイングラスにもいろいろな形があること,ラベルに趣向がこらされていること,古代ギリシアの酒器とそこに描かれている画像(バッコスなど)も紹介していて,どこもおもしろく見ました.ワインづくりの過程でぶどうを踏んづける作業を実際に体験させるコーナーがあったのが,よかったです.なお,ぶどうを踏みつけることを描いたマンガがあったはずだとおもって,竹本 泉氏の本にあたったところ,「しましま曜日」の「第13話」にそうした光景が描かれていましたけど,ぶどう畑について「昔は棚式だったんだけどね/ここらへん最近垣根式にしちゃったの」というセリフがあるのにおどろきました.「棚式」「垣根式」という2種類のやりかたがあることが,この ≪ワイン展≫ で解説されていたからです.たかがマンガということなかれ.「マンガ」に,じっさいのことがらを正確にとりいれていることに感心させられました.