さまざまな意匠

都合でカキコミが1日おくれてしまいました.以下の文章は昨26日の体験を記したものです.文化学園服飾博物館で ≪魔除け 身にまとう祈るこころ≫ を見てきました.「アジア・アフリカ地域を中心に、各民族の服飾に見られる多様な魔除けの役割を紹介」しています.じつにいろいろなものがあります.描かれる文様や装飾も多種多様なら,用いられている素材とその着方(身につけ方)も多様です.小さな円形のガラスを数多く埋めこんでいる衣装なんて,はじめて見ました.動物の骨や牙,貝,銀などでつくった装身具もあれば,象徴的な文様を織りこんだ衣類もあります.中国では「五毒」といってサソリ,ムカデ,クモ,ヒキガエル,ヘビを嫌い,これらをほろぼす虎の図像を尊重したそうなのですが,逆に,毒をもって毒を制すというんでしょうか,これら「五毒」を衣類に描いたものもあったとのことです.魔を除ける色として赤色を尊重する地域もあれば,青を用いるところもあるなど,いろいろです.ひとの背からは「魔」や「邪」が入りこみやすいという発想がひろくおこなわれていた(らしい)ことも,今回知りました.日本の「背守り」にあたるような装飾がアジア・アフリカにもかなり見受けられるとか.ともあれ,これら各地での意匠の多彩さとその奔放なデザインには,まったく驚嘆させられます.