初の原画展

スパンアートギャラリーで開催中の ≪坂田靖子 原画展≫ を見てきました.河出書房の『ふしぎの国のマンガ描き』出版を記念しての企画だそうです.絵は,すでに本で見て知っているのですが,原画には大きさや色彩の微妙な感覚やタッチなどの点で,印刷されたものとはちがう迫力があります.坂田氏の「絵」には,なんといえばいいんでしょうか,ちょっとわからない面があって,不思議な感覚におちいります.初期のいかにも少女マンガ的な過剰な絵と,たとえば『天花粉』の(水墨画をおもわせるような)扉絵とではずいぶん違いがありますけど,それでいて,(ちがいを感じさせない)坂田氏独自の世界があるようにも,おもわれるのです.今回の企画のために(今年になって)描かれたオリジナル原画が32点展示されていますが,これも,初期の絵とまったく変わらないといってもいいほどの,おもむきを感じさせます.