植物画あれこれ

パナソニック 汐留ミュージアムで ≪世界遺産キュー王立植物園所蔵 イングリッシュ・ガーデン 英国に集う花々≫ を見ました.このブログには記さなかったのですが,今月になってから,LIXIL ギャラリーで ≪薬草の博物誌≫ を,練馬区 牧野記念庭園記念館で ≪服部雪斎 春の花を描く≫ を見ています.とくに植物画に興味があるわけではないものの,なんとなく,同じような傾向の企画展に足を運ぶことになっていました.もっとも,「植物画」にはかなり複雑な面があるようです.絵に描く以上,「美術」としての価値があり,同時に植物学の正確な知識も求められ,さらに東洋では「本草学」としての受容,すなわち医学・薬学の実用性が含まれます.西洋でも,「植物画」の発展と普及にあたっては,大航海時代以来の,(それまで知られていなかった世界への)探索という事情がかなりのウェイトを占めているらしいのです.こうなると,「植物画」には歴史的・政治的な背景が濃厚にある,というほかありません.今回の展示でもそうした点が強調されていて,絵だけでなく,関連する人々をとりあげて紹介しているのが,特色です.さらに,植物文様をあつかったウィリアム・モリスの作品なども展示しています.