楽しい地獄(?)

国立公文書館で ≪ようこそ地獄、たのしい地獄≫ を見てきました.チラシに「古代インドを起源とする「地獄」は、仏教や道教と共に日本へ伝来して以降、土着の信仰などと混ざり合い、独特のイメージを形成しました。本展では特に平安時代から室町時代にかけて成立した様々な古典籍から、古来、日本人が描いてきた「地獄」のイメージとその死生観についてご紹介します」とあります.『日本霊異記』や『宇治拾遺物語』や『今昔物語集』といった古典籍から,地獄について,あるいは地獄に堕ちたひとびとや地獄関連の逸話などを一部抜きだして翻刻し,現代語訳も付しています.地獄というものに対するむかしのひとの好奇心が旺盛であったことが,よくわかります.なお,時代が下ると,<地獄観>も変化するのでしょうか,閻魔大王や獄卒たちを茶化すような小咄や川柳があらわれたり,<地獄染>という,衣装に地獄をあしらったデザインがおこなわれたりするようになり,そうした資料も展示されています.公文書館の企画展であるだけに,文字資料がおおいのですが,『道成寺絵詞』や『暁斎画談』もあって,たのしんで見ることのできる展示になっています.8月27日まで開催とのこと.この企画展はオススメです.