熟読の価値あり

山岸凉子画集 光』(河出書房新社,2016年 9月)読了.山岸氏の「本格的な画集」はこれが初めてなのだそうです.『妖精王の帰還』(ブッキング,2007年 3月)や『太陽の地図帳 032』(平凡社,2016年 1月)など,画集にちかいものはありましたけど,初期から最近作までを網羅したものとしては,空前のものといえるでしょう.「今回の画集は、自分の望んだとおりの色を出せた作品を選んでいます。それと各作品の主人公の表情が描けていると思えるものも」と,プロローグで書かれています.まさにこのとおり,「色」の使いかたの多様性をたのしんで見ることのできる画集になっています.それと,典拠(といっていいでしょうか)をさぐる楽しみもあります.ミュシャビアズリーをおもわせる絵もあれば,光琳の「紅白梅図屏風」をパロディー化したかのようなものもあって,興味がつきません.