でたらめな訳にあきれる

きょうの朝日新聞朝刊に「教育勅語」って何?と題するカコミ記事が載っていました.教育勅語についていろいろと解説しているのですが,なかに「「万一危急の大事が起こったならば、大義に基づいて勇気をふるい一身を捧げて皇室国家のためにつくせ」とも書かれている」とあります.朝日新聞ともあろうものが,なぜこんなひどい訳文を掲載しているのか,まったく理解できません.「一旦緩急アレハ」は「万一危急の大事が起こったならば」ではなく「万一危急の大事が起こったので」です.そのうえで,この部分について「「万一危急の大事が起こったので」は文法的にはまちがいであるが,天皇がいったん発したことばは変更することができない(綸言汗のごとし)ので,「万一危急の大事が起こったならば」という意味に解して,そのように理解せよと,明治政府は「臣民」に強いてきた」とでも注記して,過去のテンマツをあきらかにすべきです.幼稚園児に暗唱させたり,教育勅語を評価したりする(とんでもない)政治家が跋扈している現在こそ,こうした検証が必要なのではないでしょうか.