意匠のもつ意味

東京家政大学博物館の企画展 ≪まじない いろいろ・いろ・かたち≫ を見ました.着物や玩具などに込められた意味を,「まじない」というキーワードを設けて,いわば民俗学的に考察しています.赤い色には魔を降ろすはたらきがあるとか,紫が禁色とされたとか,色ひとつをとってもそこに重要な意味があったことがわかります.麻の葉などの植物や,動物や,扇や牛車といったモノなど,ありとあらゆるものに意味をこめて,吉祥の意匠を身辺に飾ってきた昔の日本人の意識を見ることができたように思われました.なお,それらの意味はつねに一定であったわけではありません.雛祭なんかも,穢れを祓う行事から女児の成長を祝う祭へと変わっていきましたし,着物の柄も,(元の意味をはなれて)まったくのデザインとして使われたりすることもあったのだそうです.そうしたいろいろの資料100点あまりを,いつも同じいい方になってしまうのですけど,おもしろく見てきました.