不思議な感触

練馬区立美術館で ≪太齋春夫展≫ を見ました.たまたま,インターネット上である美術ファンの方が紹介されていたので,いってみたんですが,なんといえばいいんでしょうか,こんなのもあるの,というのが正直な感想です.サブタイトルに「生誕110年記念 漆の画家」とあるように,漆の研究に従事したうえで,その成果を絵画にも応用してつくりだしたのが,今回展示されている諸作品であるらしいんですね.絵具を盛りあげた,油彩画のような絵もありますけど,全体としては落ち着いた印象を受けます.いっぽう,漆塗アルマイトモザイクという技法による作品は,モダンなパッチワークで,螺鈿細工のようなおもむきがあります.こうした可能性を秘めた才能が,応招され,戦死したことは,無念というほかありません.