装飾への執着におどろく

五島美術館で ≪光彩の巧み 瑠璃・玻璃・七宝≫ を見ました.キラキラ輝くものへのあこがれは古今東西,どの文明にも共通してあるのでしょうか.本展示では日本の七宝かざりを色々と紹介していますが,道具類(ことにやや小さいもの)にほどこされた品がおおいことが印象にのこりました.茶道具や香炉や刀の鍔などのほか,襖の引手や釘隠といった建築物の一部分にすぎないところにまで七宝をほどこしているのですから,その装飾への執着にはまったくおそれいりましたと申しあげるほかありません.さらに,釘隠を利用して手焙や香合に仕立てているのにも,ちょっとおどろかされました.これは数寄者の風流のあらわれなのでしょうか.