よくまあ,集めたもんだ

Bunkamura ザ・ミュージアムで ≪ルドルフ2世の驚異の世界展≫ を見てきました.ハプスプルク家の皇帝という立場にありながら,政治よりも文芸や美術や自然科学などへの関心が高かったらしいルドルフが財力にものをいわせて集めたモノ(の一部)がすなわち今回の展示品です.よくぞ集めた,としかいいようがありません.絵画も歴史画や風景画や植物画など多岐にわたっており,どんな趣味(や傾向)によっているのかよくわからないほどです.ジャンルにこだわらず片っ端から収集したのでしょうか.が,今回かなり多く出品されているルーラント・サーフェリーの作品を見ると,世界のすべてを絵のなかに込めようとする意思があったのではないかと,(シロートの独断ながら)かんがえてしまいます.ノアの方舟ギリシア神話オルフェウスにはそうした「世界のすべて」という観念が感じられるのですが.いっぽう,珍奇なものへの執念も強烈だったようで,「驚異の部屋」と題された最後の展示室での杯やボウルや時計にはまったく驚かされました.